商品力や価格だけで勝負するのではなく、顧客に対するサービスや対応の質に満足をしてもらう取り組みが重視されています。顧客体験の質を向上させることによって、中長期的な売上の向上に貢献してもらえるロイヤルカスタマーの育成にもつながっていくはずです。

この記事では、小売店におけるカスタマーサクセスの基本的なポイントと、ロイヤルカスタマーの育成方法を解説します。

カスタマーサクセスとは？

継続的に顧客との良好な関係を維持するには、自店と顧客の双方にとってメリットがある必要があります。ここでは、カスタマーサクセスとは何か、基本的な意味や得られるメリットについて解説します。

カスタマーサポートとの違い

カスタマーサクセス（Customer Success）は、「顧客の成功」を指す言葉です。顧客に対して能動的に関わっていくことで、顧客自身の成功体験を生み出すことを目的としています。

一方、カスタマーサポートは、顧客が商品やサービスの利用時に不具合や不明点があったときに対応するものです。あくまで、顧客からの問い合わせがあったときのみ対応するので、受動的な接し方（クレーム対応など）になります。

カスタマーサクセスでは、顧客の成功体験を生み出すための取り組みが重要です。適切なフォローアップや提案などを通じて、顧客との良好な関係を築くのと同時に、機能やサービスの質を向上させる取り組みも進めていきましょう。

カスタマーサクセスを充実させるメリット

カスタマーサクセスを充実させることは、ロイヤルカスタマーの獲得に結びつきます。ロイヤルカスタマーとは、最上位の顧客層として分類されるもので、自店の商品やサービスに強い愛着や信頼を寄せてくれるため、中長期にわたって安定的な売上をもたらしてくれる存在です。

ロイヤルカスタマーの獲得はLTV（顧客生涯価値）の向上につながり、口コミやSNSなどを通じて、新たな顧客を呼び込んでくれるきっかけにもなるでしょう。自店のブランド価値を高めてくれる存在なので、競合他社との差別化を図ることにもつながります。

カスタマーサクセスに取り組む過程で把握したさまざまな情報は、サービスの改善や商品開発に活かせます。ロイヤルカスタマーは自店に対して愛着や信頼を寄せてくれているからこそ、良質なフィードバックを与えてくれるのです。

商品やサービスに対する新たな視点や発想を得られ、良好な関係を維持することで、売上の向上につなげられます。

小売店でカスタマーサクセスを生み出すためのポイント

小売店でカスタマーサクセスを生み出すためには、基本的なポイントを押さえておく必要があります。主に2つの点から、ポイントとなる部分を解説します。

顧客の現状をよく把握する

カスタマーサクセスでは、顧客の状況をよく把握して、臨機応変に対応していく姿勢をとることが必要です。販売する商品の質などをすぐに変えるのは難しいですが、顧客への対応は柔軟に変えられる部分でもあります。

基本的にはお客様に寄り添ったコミュニケーションが重要であり、顧客とのやりとりが活発になることで、どのようなニーズがあるのかが分かります。カスタマーサクセスは受け身の姿勢ではなく、提案型のアプローチを行っていくことが大切です。

顧客の考えをいち早くキャッチすることで、効果的なプロモーションなどにも結びつけていけるでしょう。

カスタマーヘルスをチェックする

カスタマーサクセスの指標の一つに、「カスタマーヘルススコア」というものがあります。これは、顧客がお店やサービスを利用し続けてくれるかを数値化したものであり、顧客対応を判断する目安となるでしょう。

数値を正しく把握しておくことで、来店を促す施策を実行したり、顧客へのサポートを行うタイミングをある程度予測できます。判断の目安となる指標を用いれば、きめ細かな顧客対応を行えるため、自店に対する信頼性を高められるでしょう。

電子レシートの導入で顧客のアフターケアを充実させよう

小売店にとって、顧客との良好な関係を維持していくことは大切なポイントになります。商品を販売して終わりではなく、顧客との関係を維持し、自店のファンを積極的に増やしていきましょう。

カスタマーサクセスを生み出すには顧客に対するアフターケアが大事です。電子レシートの導入もあわせて検討することで、商品を販売した後も顧客との関係を維持しやすくなるでしょう。

電子レシートプラットフォームである「iReceipt」なら、顧客体験の質を向上させるためのさまざまな取り組みが行えるので、ロイヤルカスタマーの育成にもつながります。具体的には電子レシートの場合、レシートの紛失や劣化の心配がないため、顧客はいつでも買い物の履歴を振り返ることが可能です。これにより、スムーズな返金や返品対応の実現にもつながるでしょう。

また、電子レシートは紙の資源を使わないため、環境にやさしいといえます。環境に配慮したエシカルな購入体験を顧客にもたらすことができるでしょう。

そして、電子レシートを導入することで、顧客データや購買データなどを有効活用できます。家計簿アプリとの連携やポイ活がしやすくなるため、顧客にとってプラスになる部分が多いといえます。

電子レシートの導入で生まれるカスタマーサクセスについても、あわせて検討してみてください。

まとめ

カスタマーサクセスは顧客の顧客体験を意味しており、積極的なアプローチを心がけていくことが重要です。顧客の成功体験が生み出せれば、ロイヤルカスタマーの育成にもつながり、結果として中長期的な売上の向上や安定化を図れます。

カスタマーサクセスを生み出すには、顧客との丁寧なコミュニケーションを心がけ、提案型の顧客対応を行っていくことが大切です。電子レシートなどを上手に活用すれば、顧客一人ひとりのニーズに合わせたアプローチができます。

顧客データや購買データをうまく活用して、顧客体験の質を高めていきましょう。